野球では、「タメ」という言葉がよく使われますが、意味がわかっていなかったり、技術的に上手くできていないことが多いです。
バッティングにおいて、「タメ」は非常に重要な要素で、強いスイングが出来るだけでなく、ピッチャーが投げたボールへの対応力も上がり打率も向上します。
今回は、野球歴20年以上の私がバッティングにおいて大切な「タメ」を作るための重要なポイントを解説します!
こんな方におすすめ
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- 身体が突っ込んだり、手打ちになる
- 強い打球が打てない
- 変化球や外角のボールに対応できない
「タメ」を身につけるには、まず「タメ」とは何かと、意識すべきポイントを抑える必要があります。
この記事を読めば、「タメ」について理解して、身につけることができますので、是非最後までチェックしてください!
Contents
野球のバッティング(打撃)でよく言われる「タメ」って何?
野球のバッティングは、下半身に着目すると上記の図の通り、テイクバック→踏み込み→スイング(回転)という動作を体重移動をしながら行います。
そして、バッティングにおける「タメ」とは、テイクバックからスイング(回転)の直前まで軸足側に力を溜めておくことを言います。
スイング(回転)を始めるギリギリまで、「タメ」を維持していられると、回転を始めるタイミングで一気に腰を加速させることができるので、下半身の力が上半身に伝わり、力強いスイングをすることができます。
逆に「タメ」ができずに、早い段階で体重が踏み込み足に移動してしまったり、踏み込み足側の腰が開いていってしまうと、下半身の力が発揮できず、上半身だけのスイング、いわゆる「手打ち」になってしまいます。
「タメ」ができると、力強いスイングができるだけでなく、投手が投げるボールを近くまで引きつけることができるので、外角の球や、変化球への対応力も上がります。
力強いスイングができて、投手のボールへの対応力も上がるので、「タメ」はバッティングにおいて重要な要素と言われているんです!
野球のバッティング(打撃)で「タメ」を作るための3つのポイントとは?
バッティングにおける「タメ」について理解頂いたところで、次は実際に「タメ」を作るためのポイントを解説します。
「タメ」を作るための主なポイントは以下の3つです。
身体が開くと生じる問題点
- 軸足の付け根の部分に体重を乗せる
- 踏み出す足の足の裏を投手に向ける
- 踏み込みが終わるまでトップの位置を軸足の上にキープ
この3つのポイントができるようになれば、あなたも「タメ」をモノにすることができます。それでは、それぞれについて解説していきます!
バッティング(打撃)で「タメ」を作るポイント:①軸足の付け根の部分に体重を乗せる
「タメ」は軸足に体重を乗せると言いましたが、もっと具体的にいうと、「タメ」では軸足の付け根部分に体重を乗せます。
上手く軸足の付け根に体重を乗せれていると、ユニフォームの軸足の付け根部分に斜めのシワができますので、それが付け根に体重を乗せれているかのチェックポイントになります。
ただ単に軸足側に体重を残しているだけでは、体重移動から回転に繋げる時に、上手く腰を回転させれず力を伝えることができません。また、打撃フォームが安定しなくなるデメリットもあります。
軸足の付け根に体重を乗せる際は、膝がつま先より前に出ないように注意しましょう!(スクワットと同じ注意点です)
バッティング(打撃)で「タメ」を作るポイント:②踏み出す足の足の裏を投手に向ける
「タメ」を作るときに、軸足の付け根に体重を乗せながら、テイクバックから踏み込みにかけて、踏み込む足の足の裏を投手に向けて動かしましょう。
足の裏を投手に向けるためには、膝を内側に捻る必要がありますが、下半身を内側に絞っていくことで、より力が溜まり、回転時に強い力が発揮できます。
膝を内側に捻って足の裏を投手に見せた状態とするときに、肩がそれに釣られて内側に入りすぎないように注意しましょう。肩が内側に入り過ぎると、バットを前に出すのが難しくなり、バットを出すために身体を開いて、せっかく溜めた力が外に逃げてしまいますので、要注意です!
バッティング(打撃)で「タメ」を作るポイント:③踏み込みが終わるまでトップの位置を軸足の上にキープ
バッティングでは、テイクバックの時にバックスイング(身体を後ろに捻る動作)をします。そして、「トップ」とは、バックスイングで上半身が一番後ろ側に引き絞られた状態のことです。フォワードスイング(前にバットをスイングする動作)のための準備ができた状態とも言えます。
その「トップ」時の手の位置を、軸足の上辺りにキープする様にしましょう。必ず軸足の上じゃないとダメというわけではないですが、身体を後ろに捻り過ぎず、「タメ」た状態をキープするためには、「軸足の上辺りが良い」ということです!
踏み出しと同時に身体が前に進んでいくため、トップをキープするには踏み込む足と対角に離れるように動かす(割れを作る)イメージを持つと上手くいきます。(その意識がないと手も一緒に前に進み、上体が前に突っ込んで、上手くタメが作れません)
野球のバッティング(打撃)で「タメ」を作るため2つの練習方法
「タメ」を作るための練習方法を解説します!今回紹介する練習方法は、タメの感覚を身につけることを目的とした、自宅でもできる内容になっています。
簡単にできるので、「タメ」を身につける第一歩として、是非取り組んでください!
「タメ」の感覚を掴む練習方法:①段差を使った練習
20〜30cm程度の低めの台を用意します。階段などの段差を使ってもらってもOKです。
そして以下の5つ手順で練習を進めます。
段差を使った練習の手順
- バットを持って段差の高い方に乗る。(バットは無くてもOK)
- バットをトップの位置(軸足の上)に構えて、軸足一本で立ち、踏み出す足を段差の低い方に垂らします。
- 肩とベルトが地面と平行になるようにキープしながら、踏み出し足を5〜10秒かけて段差の低い方に親指の先が着くまで降ろす(軸足を曲げる)。
- 親指の先が地面に着いたら、手順2の体勢まで戻る。
- 手順3と4を5〜10回繰り返す
手順3で、軸足を曲げていく時に、軸足の膝がつま先より前に出ないように注意してください。
また、軸足に体重がかかっているときは、軸足の親指と太ももの内側に力を入れて、軸足の付け根に体重を乗せることを意識しましょう!
この練習を繰り返し行うと、軸足で「タメ」を作る感覚が身に付きます。
踏み出し足を降ろしていくのがメインなので、手順4は、さっと戻してもらえればOKです!
「タメ」の感覚を掴む練習方法:②ペットボトルを使った練習
3分の1ほど水を入れた500mのペットボトルを用意します。
そして、以下5つの手順で進めます。
ペットボトルを使った練習の手順
- バットを振る時に踏み出した足が地面に着く位置にペットボトルを置く。
- バットを構える。
- 踏み出し足の親指の内側でペットボトルの先を触る。
- 構えに戻る。
- 手順3と4を10回繰り返す。
手順3の踏み出し足でペットボトルを触るときは、ペットボトルを倒さないようにそっと触ってください。そうすることで、自然と軸足側に体重が残り、タメの感覚を身につけることができます。
親指の内側で触るのは、踏み出し足が内側に捻られて、身体の開きを防ぐ練習にもなります。この時に肩が内側に入り過ぎないよう注意しましょう。
野球のバッティング(打撃)で「タメ」を作るための3つのポイント まとめ
ここまで読んで頂いてありがとうございます。今回解説した「タメ」を作るためのポイントは以下の3つです。
身体が開くと生じる問題点
- 軸足の付け根の部分に体重を乗せる
- 踏み出す足の足の裏を投手に向ける
- 踏み込みが終わるまでトップの位置を軸足の上にキープ
この3つのポイントを抑えて練習すれば、「タメ」が上手く使えて、より力強いバッティングができるようになります。
今すぐ始められる練習方法もお伝えしたので、早速練習に取り組んで、バッティングの「タメ」を身につけてください!